いえとち手帖

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訳あり物件・不動産の売却

市街化調整区域の実家は売れる?役所での確かめ方と、売れる相手4つ

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相続する実家の売却を不動産会社に相談したら、「市街化調整区域なので建て替えができず、売りにくい」と言われて止まっていませんか。役所で何を聞けば売れる見込みが分かるか、そのうえで誰に売る話を持ちかけるかを、順番に決められるように書いています。

この記事の結論

  • 市街化調整区域の家でも、売ること自体は禁止されていません。売りにくいのは、買った人が住む・建て替える・用途を変えるときに、都市計画法の許可が要る場合があるからです。
  • 最初に、その家が「いつ・どの許可で建てられたか」を役所(開発許可・建築指導の窓口)で確かめます。誰でも住める家か、住める人が限られた家(農家住宅など)かで、売れる相手が変わります。
  • 第三者が住めて建て替えもできる見込みなら、仲介で売り出せます。見込みが薄いなら、隣地の所有者・同じ条件で住める人・買取業者に当たります。買取業者に頼む場合は、調整区域の物件を扱うかを先に聞いてください。
目次(6項目)
  1. 市街化調整区域では、何ができないのですか?
  2. 役所では、何をどう確かめればよいですか?
  3. 誰に売ればよいですか?売れる相手4つの向き不向き
  4. 売る前に整えておくことは何ですか?
  5. よくある質問
  6. 出典

市街化調整区域では、何ができないのですか?

市街化調整区域は、都市計画法で「市街化を抑制すべき区域」とされた場所です(7条3項)。そのため、建物を建てる・建て替える・使い方を変えることに、許可の決まりがかかっています。

開発許可と、建築の許可

  • 開発行為の許可(29条): 都市計画区域の中で、建物を建てるために土地の区画や形を変える(開発行為)ときは、あらかじめ都道府県知事(指定都市などでは市長)の許可が要ります。市街化調整区域では、農業・林業・漁業の建物や、その仕事をする人の住まいなどは許可が要らない扱いです(29条1項2号)。
  • 許可を出してよい場合の限定(34条): 市街化調整区域の開発許可は、34条の各号に当たる場合しか出せません。たとえば、市街化区域に近く一体の生活圏になっている集落などで、都道府県などが条例で指定した区域(11号)や、開発審査会の議を経て知事が認めるもの(14号)などです。
  • 開発を伴わない建て替え・用途変更(43条): 開発許可を受けた区域の外では、知事の許可なしに、農林漁業用などの建物以外を新築したり、建物を改築したり用途を変えたりして、そうした建物以外にしてはいけないと定められています(43条1項)。

つまり、土地を造成しなくても、「建て替える」「別の人が別の使い方で住む」ことに許可が要る場合があります。買い手から見ると、買ったあとに住めるか・建て替えられるかが分からない家になるため、仲介で値段がつきにくくなります(当サイトの整理)。

「住める人が限られた家」とは

市街化調整区域の家には、農家の住宅や、親の土地に子が建てた住宅(分家住宅・世帯分離住宅など)のように、住む人の条件つきで許可された家があります。自治体はこれを「使う人が限定されている建築物」などと呼びます。

京都府の「市街化調整区域における建築等Q&A」は、市街化調整区域の住宅を売るときは、その住宅がどのようにして建築されたかを調べる必要があり、住める人が限定されている場合は都市計画法上の許可を受ける必要がある、と説明しています。許可を受けていないと、将来その住宅の建て替えや増築ができないともしています。

同じQ&Aでは、農業を営む親族が建てた農家住宅に、農業を営まない相続人が住む場合も、住人の属性が変わるため許可が必要になる、と説明しています。一方で、世帯分離住宅に許可を受けた世帯の相続人が住む場合は、住人の変更に当たらないとしています。同じ「相続した実家」でも、家の許可の種類で扱いが変わるということです。

建て替えができる場合

都市計画法上適法に建てられた住宅なら、一定の条件で建て替えができる、と京都府は案内しています。条件の例として、京都府は許可なしで改築・用途変更ができるものを「元の建物が適法」「敷地を広げない」「建ぺい率・容積率の範囲内」「用途が大きく変わらない」の全部に当たるもの(4つめの中に「使う人が限定されている建築物について使う人を変更するものではないこと」が含まれます)、と挙げています。条件の中身は都道府県・市ごとに違うので、物件がある自治体の基準を確かめてください。

注意したいのは、建物を先に壊すことです。京都府のよくある質問では、既存の建物が取り壊され敷地に建物がまったく残っていない場合は、建て替えではなく新築となり、許可基準に合って許可を受けない限り住宅は建てられない、としています。売り先が決まる前の解体は、役所に確かめてからにしてください。

役所では、何をどう確かめればよいですか?

物件がある自治体の、開発許可を扱う窓口に相談します。窓口の名前は自治体ごとに違い、たとえば福岡市は「開発・盛土指導課」、京都府は各土木事務所の建築住宅課(京都市内は京都市の開発指導課、亀岡市内は亀岡市の都市計画課)を案内しています。市のウェブサイトで「開発許可」「市街化調整区域 建築」と検索すると、担当の窓口と相談の資料が見つかることが多いです。

聞くことの一覧

次の一覧は、そのまま書き写して窓口に持っていける形にしています(当サイトの整理)。

  1. この土地は市街化調整区域か。区域区分が決まった日(線引きの日)はいつか
  2. 今の建物は、いつ、どの許可(または許可不要の扱い)で建てられたか。許可の記録は残っているか
  3. この家は、住む人の条件つきの家(農家住宅・分家住宅など)か。条件がない一般の住宅か
  4. 家族以外の人が買って住む場合、許可(用途変更・属性の変更)は要るか。要るなら、どんな人なら許可の見込みがあるか
  5. 建て替え(改築)はできるか。できるなら、規模・敷地・用途の条件は何か
  6. 建物を取り壊した場合、あとから住宅を建てられるか
  7. この自治体に、条例で指定した区域(都市計画法34条11号・12号)や、空き家の用途変更を認める基準があるか
  8. 敷地に農地が含まれているか(含まれていれば、農業委員会にも相談が要るか)

持っていくもの

京都府は、相談の前に「市街化調整区域における建築等に係る相談資料」を用意するよう案内しています。必要な資料は自治体ごとに違うため、事前に窓口のページを確かめてください。当サイトの考えでは、物件の住所と地番、登記事項証明書、固定資産税の課税明細、手元にあれば建築確認の書類・公図・現地の写真を持っていくと、建物の経緯を調べてもらいやすくなります。

空き家の用途変更を認める自治体もある

国土交通省は、市街化調整区域の古民家などの既存建築物を地域の資源として、既存集落のコミュニティの維持や観光振興などの地域再生に使う場合に、用途変更の許可を弾力的に運用できるとする技術的助言を出しています。住まいとして別の人に売る場合にそのまま当てはまるとは限りません。同省の資料では、相当期間(10年程度が目安)適正に使われてきた建物であることなどが考え方として示され、基準を作った自治体として、令和5年度時点で83団体が挙げられています。物件がある自治体に基準があるかは、上の一覧の7で聞いてください。

モデルケース: 親が建てた農家住宅を、農業をしない子が相続した場合

次の条件は、確かめる順番を説明するための架空の例です。市街化調整区域にある親の家は、親が農業を営む人として建てた農家住宅だったと仮定します。相続した子は遠方の会社員で、農業はしていません。

  1. 開発許可の窓口で、家の許可の種類を確かめます。農家住宅だと分かれば、京都府の説明のように、農業をしない人が住むには許可が要る扱いになる可能性があります。
  2. 許可の見込みがある相手(たとえば、近くで農業を営む人)がいるか、用途変更を認める自治体の基準があるかを聞きます。
  3. どちらも見込みが薄ければ、隣地の所有者や、調整区域の物件を扱う買取業者に当たります。

この例では、仲介に出す前に許可の種類を確かめておくことで、「誰になら売れるか」の範囲が先に分かります。

誰に売ればよいですか?売れる相手4つの向き不向き

役所で確かめた結果で、当たる相手が変わります。次の表は当サイトの整理です。価格は物件ごとに違うため、傾向として読んでください。

売る相手向いている状況注意すること
仲介で一般の買い手第三者が住めて、建て替えもできると役所で確かめられた許可の条件を買い手に説明できるよう、役所で聞いた内容を書き留めておく
隣地の所有者隣が農家・住宅で、敷地を広げたい・駐車場にしたいなどの理由がありそう隣地の人が使う場合も、使い方によって許可が要ることがある。測量・境界の費用の負担を決める
同じ条件で住める人(農業を営む人など)住む人の条件つきの家で、その条件に合う人が近くにいる許可が要るか、許可の見込みがあるかは自治体が判断する。地元の農業委員会や役所に相談先を聞く
買取業者役所で「第三者の居住や建て替えは難しい」と言われた。遠方で売り出しや管理を続けられない調整区域の物件を扱うかは業者ごとに違う。申し込む前に区域と許可の種類を伝えて聞く

買取業者に頼むときに確かめること

当サイトで提携を予定しているワケガイ(運営: 株式会社ネクスウィル)の公式サイトでは、確認したページ(トップ・よくある質問・訳あり物件の買取のページ)に「市街化調整区域」についての記載はありませんでした。よくある質問では、山林や田・畑など宅地として利用できない土地や、賃貸需要がまったくないエリアの不動産は買取が難しい場合がある、と書かれています(2026年10月25日に確認)。調整区域の家を相談するときは、最初に「市街化調整区域であること」と「建物の許可の種類」を伝え、扱えるかを聞いてください。

ほかの買取業者も含めて、対応する事情・契約条件の書き方を横並びにしたページは訳あり物件の買取業者の比べ方です。どの業者も、契約不適合責任(売ったあとに不具合が見つかったときに売主が負う責任)と、家財(残置物)の扱いを契約前に書面で確かめてください。

誰にも売れないとき

建物を取り壊した土地なら、相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらえる場合があります。ただし、建物がある土地は申請できません(法務省)。また、上に書いたとおり、調整区域で建物を壊すとあとから建てられなくなることがあるため、壊す前に売り先がないかを確かめてください。制度の全体は相続した実家をどうするかの選択肢で、建物のない土地の手放し方は田舎の土地が売れないときの手放し方で説明しています。

売る前に整えておくことは何ですか?

  • 相続登記: 2024年4月1日から義務になり、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。それより前に相続した不動産で登記をしていないものは、2027年3月31日までに申請する必要があります(法務省)。登記が済んでいないと、売買の手続きを進められません。
  • 建物の許可の記録: 上の「聞くことの一覧」の2〜4の答えを、日付と窓口の名前つきで書き留めておきます。買い手や業者への説明に使えます(当サイトの考え)。
  • 農地の有無: 敷地に農地(田・畑)が含まれる場合、農地を売る・転用するには農地法の手続きが要り、窓口は農業委員会です。たとえば鹿児島市は、第三者が転用する場合は農地法5条に基づく申請になると案内しています。
  • 家財と境界: 家財が残ったままでよいか、境界の確認が必要かは、売る相手によって変わります。買取業者に頼む場合は、査定のときに聞いてください。

よくある質問

「既存宅地」なら、自由に建てられますか?

既存宅地の確認の制度は、2001年(平成13年)5月18日に廃止されています(福岡市の説明)。今は、線引き前から宅地だった土地について、開発審査会の基準などで建築を認める自治体もありますが、認めるかどうかと条件は自治体ごとに違います(京都府の基準では、線引き前からの宅地における住宅は南丹市・福知山市・舞鶴市内のみが対象です)。昔「既存宅地」だったと聞いていても、今の扱いを窓口で確かめてください。

農地が付いている家は、売れますか?

農地の部分は、農地法の手続きが必要です(窓口は農業委員会)。ワケガイが公開している買取事例(宮崎県都城市の戸建て、土地に農地が含まれていて売却できなかった物件)には、「農業委員会に確認をして、現況が農地ではない場合、非農地届けを取得することができます。地目を農地以外に変更して買取。」と書かれています(1社が公開している1件の事例で、どの物件でも同じ扱いになるわけではありません)。

建物を壊して更地にすれば、売りやすくなりますか?

調整区域では、逆に売りにくくなることがあります。建物がすべて取り壊されていると、建て替えではなく新築として扱われ、許可を受けない限り住宅は建てられない、と京都府は説明しています。壊す前に、窓口で「取り壊した後に住宅を建てられるか」を聞いてください。

買取の査定が向いている人

  • 役所で、第三者が住む・建て替えるのは難しいと言われた
  • 隣地の所有者や、条件に合う人に買う見込みがない
  • 遠方に住んでいて、売り出しや空き家の管理を続けられない

向いていない人

  • まだ役所で建物の許可の種類を確かめていない(→ 先に役所での確かめ方へ)
  • 第三者が住めて、建て替えもできると確かめられた(→ 仲介の査定と比べる。下の2つめの選択肢)
  • 敷地の大半が農地・山林(→ 先に農業委員会へ。ワケガイは宅地として利用できない土地は買取が難しい場合があると書いています)

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調整区域だと伝えたら、査定の段階で断られるのではと迷っている人へ

役所で聞いた許可の内容を伝えたうえで、扱えるか・いくらになるかを確かめられます

第三者の居住や建て替えが難しいと言われた人(買取)

費用
査定は無料。価格や条件が折り合わず買取に至らなかった場合も、費用はかかりません
かかる時間
申込フォームは「60秒でカンタン入力」
分かること
買取の査定金額。相談から3営業日以内に提示されます。市街化調整区域を扱うかの記載は、確認したページにはありません
申込後の連絡
「しつこい営業は行いません」と公式サイトに書かれています
PRワケガイに調整区域の家の無料査定を申し込む

第三者が住めて、建て替えもできると確かめた人(仲介の売却査定)

費用
複数の空き家専門の不動産会社に、無料で一括査定を依頼できると書かれています
かかる時間
申込ボタンに「簡単60秒」と書かれています
分かること
複数の不動産会社の売却査定。市街化調整区域の扱いは、確認したページには書かれていません
申込後の連絡
一括査定は、依頼した複数の会社から連絡が来る仕組みです(当サイトの整理)
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ワケガイの内容は公式サイトとよくある質問に書かれていることです(2026年10月25日に確認)。タウンライフの内容は公式サイトに書かれていることです(2026年10月25日に確認)。ほかの買取業者とも比べたい場合は、買取業者の比べ方を先にどうぞ。

出典