いえとち手帖

家と土地のこと、業者に連絡する前に。

外壁・屋根の塗装と見積もり

外壁塗装の訪問販売の断り方:玄関で言う一言と、点検を許してしまった後・契約してしまった後

突然来た業者に「近所で工事をしているので、ついでに屋根を見ましょうか」「外壁にひびがあるので早めに塗ったほうがいい」と言われ、断ってよいのか迷っていませんか。この記事では、その場での断り方と、本当に工事が要るかを後から落ち着いて確かめる順番を決められます。

この記事の結論

  • 訪問販売は、理由を言わずに断ってかまいません。特定商取引法は、契約しないと伝えた人にさらに勧誘することを禁じています(3条の2第2項)。
  • その場では、屋根に上らせない・署名しない・写真だけで決めない。「家族と相談します。今日は決めません」で十分です。
  • 言われたひび・浮き・チョーキングが今すぐ直すものかは、玄関先の話や写真では決められません。公的な資料でも、塗膜の表面の劣化(粉をふく・色があせる)と、下地に起因するひび割れなどとは別の段階として扱われています。
  • 契約してしまっても、訪問販売なら書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフ(無条件の解約)ができる場合があります。迷ったら消費者ホットライン「188」へ。
  • 本当に塗装が要るか気になる場合は、訪問してきた業者ではなく、自分で選んだ2〜3社に見てもらって比べます。
目次(9項目)
  1. 訪問販売では、どんな言葉で声をかけられますか?
  2. どう言えば断れますか?
  3. その場でしてはいけないことは何ですか?
  4. 言われた症状(ひび・浮き・チョーキング)は、今すぐ直すものですか?
  5. その業者が本物か、どう確かめますか?
  6. 契約してしまったら、どうすればよいですか?
  7. 本当に塗装が要るか確かめたい人は、どうすればよいですか?
  8. よくある質問
  9. 出典

訪問販売では、どんな言葉で声をかけられますか?

国民生活センターは、屋根・外壁の点検商法でよく使われる勧誘の言葉を公表しています。次の表は、その言葉と、言われたときに確かめることを当サイトで1つにまとめたものです。

言われる言葉(国民生活センターの公表事例から)確かめること(当サイトの整理)
「近所で行う工事の挨拶に来た」「近所で工事している」近所の工事は本当か。国民生活センターの事例には、近所の工事がうそだったものがあります。工事の話と、自宅の点検の話は別のものとして聞く
「屋根瓦がずれているため点検してあげる」、屋根がずれているので無料点検すると言われる点検を頼む必要が自分にあるか。頼んでいない点検は断ってよい
「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」今日決めないと困る理由が本当にあるか。不安をあおる言葉は、その場で決めさせるために使われることがある
「屋根が浮き上がっているのが見えた。今日なら割り引く」割引の期限は業者が決めたもの。値段は、ほかの業者の見積もりと比べないと分からない
ドローンで撮ったという写真や、瓦のずれの画像を見せられるその写真が自宅のものか、いつ撮ったものか。写真だけで工事を決めない
屋根の次に外壁、床下など、別の工事を次々と勧められる最初の話になかった工事は、いったん全部断って家族と相談する

国民生活センターによると、屋根工事の点検商法の相談は2018年度の923件から2022年度の2,885件へ増え、契約した人の8割を超える人が60歳以上でした(2023年10月11日の公表)。2026年7月31日に更新された同センターのページでは、点検商法全体の相談は2024年度19,249件、2025年度19,696件とされています。

どう言えば断れますか?

理由を説明する必要はありません。特定商取引法では、訪問販売の業者は勧誘の前に会社名と勧誘の目的を告げなければならず(3条)、契約しないと伝えた人にさらに勧誘してはいけません(3条の2第2項)。当サイトの考えでは、「いりません」と1回はっきり言えば、話は短く済みます。

次の言い方は、場面ごとに当サイトが作った例です。

玄関で声をかけられたとき

  • 「うちは頼んでいないので、点検も工事も結構です。」
  • 「塗装の時期は自分で決めて、自分で業者を探します。今日はお引き取りください。」
  • 名刺やチラシを渡されたら、受け取るだけにして、その場で連絡先や都合のよい日を答えない。

インターホン越しのとき

  • 「必要ありません。」と言って、ドアを開けずに切る。
  • 「会社名をもう一度お願いします。」と聞き、名乗らない・あいまいなときは、それ以上話さない。

一度点検を許してしまった後

  • 「点検の結果は聞きました。工事は家族と相談して決めるので、今日は契約しません。」
  • 「写真はいただけますか。ほかの業者にも見てもらってから考えます。」
  • 見積書や契約書を出されても、その日は署名しない。

断った後も何度も来る、帰ってくれないといった場合は、一人で対応せず、消費生活センター(消費者ホットライン「188」)に相談してください。帰らないで居座られて怖いと感じたら、警察に連絡してかまいません(警視庁は、不安を感じたらすぐ警察に相談するよう呼びかけています)。

その場でしてはいけないことは何ですか?

突然来た業者に、屋根に上らせること・その日に署名すること・写真だけで工事を決めることの3つは避けてください。国民生活センターは、突然訪問してきた業者に安易に点検させないこと、屋根工事はその場で契約せず十分に検討することを呼びかけています。警視庁も「自宅の屋根に登らせないで!」というチラシで、突然の無料点検の申し出をきっぱり断るよう呼びかけています。

  • 屋根に上らせる: 上ったあとに見せられる「壊れている」写真が本当に自宅のものか、上らなかった人には確かめられません(当サイトの考え)。
  • その日に署名する: 割引の期限があっても、比べる材料がないまま決めることになります。
  • 「保険で直せる」と言われて話を進める: 国民生活センターは、保険金を利用できるという勧誘にも注意するよう呼びかけています。言われたときの確かめ方は火災保険を使った屋根修理の勧誘の注意点にまとめています。

言われた症状(ひび・浮き・チョーキング)は、今すぐ直すものですか?

玄関先の話や見せられた写真だけでは、今すぐ直すものかは決められません。公的な資料では、塗膜の表面の劣化(粉をふく・色があせる)と、下地に起因するひび割れなど(雨水の浸入を防ぐ働きが損なわれた段階)とは、別の段階として扱われています。国民生活センターには「契約をせかされて不要なリフォーム工事をした」という相談が寄せられています。言われた症状がどの段階に近いかを知っておけば、その場で決めずに済みます。

言われた症状公的な資料での扱いどうするか(当サイトの整理)
チョーキング(壁を手でこすると白い粉が付く)、色あせ、つやがない国土交通省 国土技術政策総合研究所の資料は、セメント系の外壁の塗り仕上げの劣化を3つの段階に分けています。白亜化(チョーキング)・変退色・光沢低下は第1段階で、「美観性が損なわれ、外観の機能が失われた段階」とされています塗り替えを考え始める目安にはなりますが、その日に契約する理由にはなりません。時期を決めてから、自分で選んだ2〜3社に見てもらいます
塗膜の割れ・膨れ・浮き・はがれ同じ資料の第2段階で、「下地に対する保護機能(中性化抑制)が低下し始めた段階」とされています。付着力が落ちた塗膜の上から塗り重ねると、早く膨れたり範囲が広がったりするため、不良箇所は除去するとしています傷みの範囲と場所を、自分で選んだ業者に見てもらいます。見積もりでは、浮いた部分を取り除く作業が入っているかを確かめます
下地まで届くひび割れ、下地ごとの浮き・はがれ、目地のシーリング材の切れ・欠け同じ資料の第3段階(ひび割れ・剥離など)は、「下地の保護機能(中性化抑制、遮塩性、雨水浸入)が損なわれた段階」とされています。国土交通省の既存住宅状況調査(建物状況調査)の調査報告書の様式も、「外壁等下地材まで到達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ又は剥落」と「外壁のシーリング材の破断又は欠損」を調べる項目にしています先延ばしにせず、自分で選んだ業者に早めに見てもらいます。ただし、訪ねてきた業者にその場で頼む理由にはなりません
「屋根が浮いている」「瓦がずれている」(自分では見えない)国民生活センターの相談事例には、「屋根が浮き上がっているのが見えた。今日なら割り引く」と言われて契約したものがあります。同じ調査報告書の様式は、屋根葺材の「著しい破損、ずれ、ひび割れ、劣化、欠損、浮き又ははがれ」を調べる項目にしています業者を屋根に上らせず、自分でも上りません。地上やベランダから見える範囲で確かめ、気になれば自分で選んだ業者に見てもらいます
室内の天井や壁に雨のしみがある建物状況調査は、外壁など雨水の浸入を防ぐ部分の「ひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況」を調べるものと案内されています(滋賀県)雨水が入っているおそれがあるため、塗り替えの時期を待たずに、自分で選んだ業者か住まいるダイヤルに相談します

3つの段階は、鉄筋コンクリート造・鉄骨造などの建物の、コンクリートやモルタルの外壁の塗り仕上げを対象にした資料の分け方です。木造の戸建てや窯業系サイディングなど、ほかの建物・外壁では傷みの出方が違うことがあります。ひびの幅や深さ、広がり方は、近くで見ないと分かりません(当サイトの考え)。自分では段階を決めきれないときは、訪ねてきた業者ではなく、自分で選んだ2〜3社に見てもらって意見を比べます(本当に塗装が要るか確かめたい人は)。

工事を請け負わない人に見てほしい場合は、国土交通省の定める講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が行う建物状況調査もあります。持ち家の点検として頼めるかと費用は、依頼先に確かめてください。

その業者が本物か、どう確かめますか?

名刺やチラシに書かれた会社名・所在地を、公的な検索システムと、業者が入っている団体の名簿で確かめます。断ったあとで落ち着いて調べればよく、その場で調べる必要はありません。

会社名と所在地

名刺に会社名・住所・固定電話の番号があるかを見ます。訪問販売の業者は、勧誘の前に会社名(氏名または名称)を告げることが法律で決められています(特定商取引法3条)。名乗らない・名刺を出さない業者とは話を進めないでください。

建設業の許可

国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、建設業の許可を受けている会社の許可番号・商号・代表者名・所在地・許可を受けた業種・許可の有効期限を調べられます(福岡県の案内による。情報の更新は月2回)。

ただし、請負代金が500万円未満などの「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、建設業の許可は要りません(国土交通省 関東地方整備局の案内)。許可がないこと自体は違反ではないため、許可があれば「名簿で確かめられる会社」という目安の1つとして使ってください(当サイトの考え)。

住宅リフォーム事業者団体への加入

国土交通省の「住宅リフォーム事業者団体登録制度」には、16の団体が登録されています(国土交通省のページの一覧)。登録された団体は、加入する事業者の情報の公開、研修、相談窓口の設置などを行います。塗装に関わる団体では、一般社団法人日本塗装工業会、一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会などが登録されています。登録された団体は加入する事業者の情報を公開しているので、業者がどこかの団体に入っていると言った場合は、その団体の公開情報で社名を確かめてください。

契約してしまったら、どうすればよいですか?

訪問販売で契約した場合は、契約の書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面かメールなどで通知してクーリング・オフ(無条件の解約)ができる場合があります(特定商取引法9条)。自分の契約が対象になるか、8日の数え方、足場を組んだ後や工事が始まった後の扱い、通知の書き方は、外壁塗装の契約のクーリング・オフにまとめています。

自分から業者を呼んだ場合でも、対象になることがあります。迷ったら、8日が過ぎる前に消費者ホットライン「188(いやや!)」番に相談してください。

本当に塗装が要るか確かめたい人は、どうすればよいですか?

訪問してきた業者の話とは切り離して、自分で選んだ2〜3社に、同じ条件で見てもらって比べます。言われた症状(ひび・浮き・色あせ)がどの段階に当たるかは、建物を近くで見た複数の人の意見を比べないと判断できないためです(当サイトの考え)。

費用と助成金の目安を先に知る

住んでいる市区で助成金が使えるか、だいたいいくらかかるかは、外壁塗装の助成金と費用の目安を計算するツールで先に確かめられます。訪問した業者の金額が高いか安いかを考える材料になります。

見積もりを2〜3社で取る

頼む社数の考え方、同じ条件で頼むために伝えること、断るときの文例は、外壁塗装の相見積もりは何社に頼むかにまとめています。契約前の見積書は、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」(0570-016-100)の見積チェックで、無料で相談できます(国土交通省の案内)。

向いている人

  • 持ち家の一戸建てで、外壁か屋根の塗り替えが本当に要るかを、自分で選んだ会社に確かめてもらいたい人
  • 塗装会社の心当たりがなく、複数社の見積もりを比べたい人

向いていない人

  • ひびの一部など、30万円に届かない小さな補修だけを頼みたい人(→ 近くの業者に直接頼むか、住まいるダイヤル 0570-016-100 に相談)
  • すでに訪問販売の業者と契約してしまった人(→ 先に契約してしまったらの節と188へ)
  • 賃貸住宅や分譲マンションの外壁(→ 所有者・管理組合に相談)

外部の公式サイトへ移動します

訪問してきた業者の話が本当か、別の会社にも見てもらいたいけれど、どこに頼めばよいか分からない人へ

自分で申し込んだ窓口から塗装会社の紹介を受けて、同じ家を複数社に見てもらえます

費用
紹介は無料。紹介された業者と必ず契約する必要はない、と公式サイトのよくある質問で答えています
かかる時間
申込みにかかる時間は、公式サイトに記載がありません
分かること
近くの塗装業者を最大4社まで紹介され、複数社の見積もりを比べられます。現地調査の日程調整の代行もあります
申込後の連絡
紹介された複数の業者から連絡が来る仕組みです。しつこい営業を受けたらリショップナビ外壁塗装に連絡するよう、公式サイトに書かれています
リショップナビ外壁塗装で塗装会社の紹介を無料で受ける

上の内容はリショップナビ外壁塗装の公式サイトに書かれていることです(2026年10月25日に確認)。ほかの一括見積サービスの連絡方法やお断り代行の違いは、外壁塗装の一括見積もりの電話と断り方の比較で比べています。

よくある質問

「無料点検」だけなら受けてもよいですか?

頼んでいない点検は断ってかまいません。国民生活センターは突然訪問してきた業者に安易に点検させないよう、警視庁は突然の無料点検の申し出をきっぱり断るよう呼びかけています。点検してほしい場合は、自分で選んだ業者に頼んでください。

断ったら、また来ました。どうすればよいですか?

特定商取引法は、契約しないと伝えた人への勧誘を禁じています(3条の2第2項)。再び来た場合は「前にお断りしました」とだけ伝えて、それ以上話さないでください。繰り返されるときは、会社名と日時を書き留めて、消費者ホットライン「188」に相談してください。

点検の後に契約書に署名してしまいました。

訪問販売なら、契約の書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができる場合があります(特定商取引法9条)。日付が過ぎそうなら、まず188に電話して、通知の出し方を確かめてください。

親の家に業者が来ているようです。家族は何ができますか?

国民生活センターの公表では、屋根工事の点検商法の契約者の8割を超える人が60歳以上でした。警視庁は、家族や周りの人が、高齢者の家に不審な訪問者が来ていないか気を配るよう呼びかけています。この記事の断り方と188の番号を、親と一緒に確かめておくのも1つの方法です(当サイトの考え)。

出典