いえとち手帖

家と土地のこと、業者に連絡する前に。

外壁・屋根の塗装と見積もり

外壁塗装の見積もりで差が出る7つの理由:高い・安いの確かめ方

外壁塗装の見積もりを2社から受け取ったら数十万円も違っていて、安いほうに決めてよいのか、高いほうが正しいのか分からなくなっていませんか。差が出る7つの項目を上から順に見比べると、差の理由と、次に業者へ何を聞けばよいかが分かります。

この記事の結論

  • 見積もりの差は、主に「面積(数量)」「塗料の種類とグレード」「塗り回数」「付帯部」「足場・養生」「下地補修・シーリング」「保証と諸経費」の7つから出ます。
  • まず面積・塗料・塗り回数の3つをそろえてから比べます。ここが違うと、同じ工事の見積もりになっていません。
  • 同じ項目・同じ数量でも単価には幅があります。住まいるダイヤルの外壁塗装のモデル見積もりでは、単価の幅だけで総額に約30万円の開きがあります。
  • 安い見積もりは「一式」の多さと、塗り回数・下地補修が書かれているかを確かめます。自分で判断できなければ、住まいるダイヤル(電話相談は無料)に聞くか、同じ条件でもう1社に見積もりを頼みます。
目次(7項目)
  1. 見積もりの差は、どの項目から出ますか?
  2. 同じ項目でも、単価だけでどれくらい違いますか?
  3. 手元の見積もりは、どの順番で確かめますか?
  4. 安すぎる見積もりでは、何を確かめますか?
  5. 大きな値引きは、信じてよいですか?
  6. それでも差の理由が分からないときは?
  7. 出典

見積もりの差は、どの項目から出ますか?

家のまわりに、メジャー・塗料缶・足場・雨どい・シーリング材を分けて並べ、見積もりの項目を表したイラスト
差は面積・塗料・足場などの項目ごとに見る(イメージ)

差が出やすいのは次の7項目です。手元の見積書を2枚並べて、上から順に同じ行があるかを確かめてください。住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)は、見積書を複数の事業者から取り、比較表を作ることを勧めています。

1. 面積(数量)の出し方

最初に見るのは、塗る面積(㎡)が2社で同じかどうかです。住まいるダイヤルは、数量が図面や現場の実測にもとづいて積算されているかを確かめ、壁の面積など自分で確かめられる部分は計算してみるとよい、としています。現場を見ずに出した見積もりは、数量が多すぎたり足りなかったりして、後から追加の費用を請求されるおそれがある、とも書いています。

すべての項目が「100㎡」のように同じ数字になっている見積書は、面積をおおまかに書いている可能性があるので注意が必要です(住まいるダイヤル)。

2. 塗料の種類とグレード

次に、塗料の名前(メーカー名と商品名)が書かれているかを見ます。住まいるダイヤルは、材料の仕様や性能で単価は大きく違い、仕様の記載がなければ必ず事業者に確かめるよう書いています。商品名が分かれば、メーカーのカタログで種類(シリコン・フッ素など)と、1回あたりに塗る量を確かめられます。

塗料の名前が「シリコン塗料」とだけ書かれている見積もりと、商品名まで書かれている見積もりは、同じ条件の比較になりません。安いほうの塗料が何かを、まず聞いてください。

3. 塗り回数と、1回に塗る量

塗り回数(下塗り・中塗り・上塗り)が書かれているかを見ます。住まいるダイヤルのモデル見積もりでも、屋根の遮熱塗料は「3回塗り」、軒天は「3回塗」、破風板は「4回塗」のように、部位ごとに回数が書かれています。

塗料メーカーは、1回あたりに塗る量を決めています。たとえば日本ペイントは、外装用の上塗り塗料「ファインパーフェクトトップSi」の塗付量を「0.11〜0.17kg/㎡/回」と公表しています。回数が少ない、または1回の量が少なければ、そのぶん材料と手間が減り、見積もりは安くなります(当サイトの考え)。回数と塗料の使用量(缶数)を聞くと、比べやすくなります。

4. 付帯部(軒天・破風板・雨どいなど)

外壁以外に塗る部分(付帯部)が、見積もりに入っているかを見ます。住まいるダイヤルのモデル見積もりでは、外壁とは別に「外壁付帯工事」として軒天(33.0㎡)と破風板(51.0m)が行を分けて書かれています。片方の見積もりに付帯部がなければ、その分だけ安く見えます(当サイトの考え)。雨どい・雨戸・水切りなど、塗ってほしい部分が入っているかを確かめてください。

5. 足場・養生

足場とメッシュシート(養生)は、塗装の費用の中でも大きな行です。住まいるダイヤルの外壁のモデル見積もり(外壁125.0㎡)では、足場とシート養生の小計が325,130〜424,582円でした。住まいるダイヤルは、足場の計上方法は工事の内容や敷地の状況で違う、としています。足場の面積(架㎡)と単価が書かれているかを確かめます。どちらかの見積もりに足場の行がなければ、ほかの行に含まれているのか、本当に入っていないのかを聞いてください(当サイトの考え)。

6. 下地補修・シーリング

ひび割れの補修やシーリング(目地のゴム状の材料)の打ち替えが、入っているかを見ます。住まいるダイヤルのモデル見積もりでは、ひび割れ補修費は「別途計上」で、下地補修は見積もりに含まれていません。住まいるダイヤルは、工事中の追加費用を避けるため、必要な項目がそろっているかと、工事を始めてから分かった傷みの扱いを、契約の前に決めておくよう勧めています。

片方には補修が入っていて、片方には入っていない場合、安いほうは後から追加になる可能性があります(当サイトの考え)。

7. 保証と諸経費

最後に、保証の内容と諸経費を見ます。住まいるダイヤルの見積事例では、「耐用年数」と「保証期間」は意味が違うとして、耐用年数の根拠資料を求めることと、雨水の浸入に対する保証の内容と期間を決めて保証書を付けてもらうことを助言しています。諸経費は、モデル見積もりでは工事費合計の20%で計上されていますが、計上のしかたは施工会社によって違う、と書かれています。

同じ項目でも、単価だけでどれくらい違いますか?

住まいるダイヤルが公開している外壁塗装のモデル見積もり(建築面積61.9㎡・外壁面積125.0㎡、可とう形改修塗材のローラー仕上げ)は、金額を下限〜上限の幅で示しています。総計は850,741〜1,158,203円で、差は約30万円です。項目も数量も同じで、単価の幅だけでこれだけの差が出ます。

住まいるダイヤルの外壁のモデル見積もり(金額の幅)
区分主な項目金額(下限〜上限)
仮設工事外部足場・シート養生(252.7架㎡)325,130〜424,582円
外壁工事高圧洗浄(158.0㎡)・仕上塗材仕上げ(125.0㎡)297,890〜419,087円
外壁付帯工事軒天(33.0㎡)・破風板(51.0m)85,930〜121,500円
諸経費工事費合計の20%141,790〜193,034円
総計(処分費・ひび割れ補修費は別途)850,741〜1,158,203円

このモデル見積もりは、経済調査会の「積算資料ポケット版」を参考にした目安で、自分の家の見積もりとは一致しません(住まいるダイヤル)。それでも、モデルと同じくらいの広さの家で2社の差が30万円前後なら単価の違いで説明できるかもしれず、それより大きければ項目や数量も違っているかもしれない、という見当をつける材料にはなります(当サイトの考え)。家の広さが違えば、この幅も変わります。

大きな差の例として、住まいるダイヤルの相談事例には、屋根のカバー工法と外壁塗装で、A社310万円・B社200万円と約100万円違ったものがあります。差の主な原因は屋根工事で、B社は屋根工事が一式表記で内訳が少なく、安くできる理由が見えませんでした。A社は項目と仕様が丁寧に書かれていて、高く見えた主な理由は屋根の「役物」という部材の費用でした。

手元の見積もりは、どの順番で確かめますか?

次の順番で、2社の見積書を1枚の表にまとめます(当サイトが作った手順)。住まいるダイヤルも、比較表を作ることが有効だとしています。

  1. 面積をそろえる: 外壁・屋根の㎡が2社で同じか。違えば、どちらが実測か、何で測ったかを聞く。
  2. 塗料をそろえる: メーカー名と商品名。書いていなければ聞く。
  3. 塗り回数をそろえる: 下塗り・中塗り・上塗りの回数と、塗料の使用量。
  4. 範囲をそろえる: 付帯部(軒天・破風板・雨どいなど)と、足場・養生が入っているか。
  5. 補修を見る: ひび割れ補修・シーリングが入っているか、別途か。工事中に傷みが見つかったときの扱い。
  6. 保証と諸経費を見る: 保証の範囲・期間・保証書の有無と、諸経費の中身。
  7. 単価を比べる: 1〜6をそろえたうえで、残った差が単価の差。
2社の見積もりを並べる表(当サイト作成。紙に写して使えます)
項目A社B社違えば聞くこと
外壁の面積(㎡)何で測ったか(図面・実測)
塗料(メーカー・商品名)商品名と種類
塗り回数・使用量下塗りの塗料、缶数
付帯部どこまで塗るか
足場・養生面積と単価
下地補修・シーリング入っているか、別途か
保証範囲・期間・保証書
諸経費何が入っているか
総額(税込)—

モデルケース: 差が40万円ある2社の見積もり

次は説明のための架空の例です。仮にA社が140万円、B社が100万円だったとします。表に並べると、外壁の面積はA社が150㎡、B社が120㎡でした。B社に聞くと、図面からの概算で、実測はしていないとのことでした。さらにB社には付帯部の行がなく、シーリングは「別途」と書かれていました。この場合、差の多くは単価ではなく、面積と範囲の違いから来ています。B社に実測した面積と、付帯部・シーリングを入れた見積もりを出してもらってから比べ直します。

安すぎる見積もりでは、何を確かめますか?

安さの理由が見積書から読み取れるかを確かめます。住まいるダイヤルの相談事例では、安いほうの見積もりは一式表記で内訳が少なく、参考価格を大きく下回り、数量も少なかったため、安くできる根拠を事業者に確かめるよう助言しています。外壁塗装の項目は書かれているのに単価や金額がなく、施工されるのかが分からない例もありました。

  • 「一式」の行が多くないか。住まいるダイヤルは、数量が「一式」のときは内容の確認が必要で、数量と単価を示してもらうよう勧めています。
  • 塗り回数と塗料の商品名が書かれているか。
  • 下地補修・シーリング・付帯部が入っているか。「別途」なら、いくらになりそうか。
  • 面積がほかの見積もりより小さくないか。

安いこと自体が悪いわけではありません。理由が説明でき、必要な項目がそろっていれば、選んでよい見積もりです(当サイトの考え)。

大きな値引きは、信じてよいですか?

値引きの大きさより、値引き前の金額の根拠を確かめてください。住まいるダイヤルの見積事例には、業者がその場で見積書を作り、「今月中に契約する場合は安くする」とキャンペーン価格を示した例があります。この事例では、備考に書かれた塗料の単価がメーカーの公表する設計価格の2倍以上で、値引きを大きく見せているおそれがあると指摘されています。国民生活センターも、「今日なら割り引く」と言われて契約したリフォーム工事の相談事例を載せています。

期限を区切った値引きを言われたら、その場で決めず、ほかの見積もりと同じ表に並べてから判断します。訪問販売で契約してしまった場合は、契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフできる場合があります(外壁塗装のクーリング・オフ)。

値引きを頼むなら、総額を下げてもらうより、塗料のグレードや範囲を変えたときに金額がどう変わるかを聞くほうが、比べやすくなります(当サイトの考え)。

それでも差の理由が分からないときは?

専門家に見積書を見てもらうか、同じ条件でもう1社に見積もりを頼みます。

住まいるダイヤルに聞く

住まいるダイヤルは、国土交通大臣の指定を受けた住宅の相談窓口です。電話相談は無料で、0570-016-100 または 03-3556-5147、受付は10時〜17時(土・日・祝日・年末年始を除く)と案内されています。見積書のセルフチェックのページでは、単価の確認には建築の知識が要るため、難しければ電話で建築士の相談員から助言を受けられると案内されています。単価の確かめ方として、住まいるダイヤルは『積算資料ポケット版 リフォーム』などの書籍や、同センターの「リフォーム見積事例」を挙げています。

同じ条件で、もう1社に頼む

2社の差の理由が分からないときは、上の表の条件(面積・塗料・回数・範囲)を伝えて、もう1社に見積もりを頼むと、どちらの見積もりが外れているかが見えてきます(当サイトの考え)。自分で塗装会社を探すあてがなければ、紹介のサービスを使う方法があります。条件を伝える依頼メモの作り方と断り方は相見積もりの頼み方と断り方に、紹介のサービスごとの連絡の方法や紹介社数の違いは一括見積もりの電話・紹介社数の比較にまとめています。

費用の目安と、住んでいる市区町村の助成金は、外壁塗装の助成金と費用の目安のツールで先に確かめておくと、見積もりを頼むときに条件を伝えやすくなります。

外部の公式サイトへ移動します

向いている人

  • 持ち家の一戸建てで、外壁や屋根の塗り替えの見積もりを、すでに1〜2社から受け取っている
  • 差の理由を確かめるため、同じ条件でもう1社の見積もりがほしい

向いていない人

  • まだ1社からも見積もりを取っていない(→ まず費用の目安と助成金と、相見積もりの頼み方を確かめてから)
  • ひび割れや雨どいなど、一部分だけの小さな修理を考えている(→ 下は外壁・屋根の塗装の見積もりを比べるサービスです。小さな修理は近くの業者に直接頼むほうが早い場合があります(当サイトの考え))
  • 訪問販売の契約を解約するか迷っている(→ 先にクーリング・オフを確かめる)

もう1社に頼みたいけれど、紹介のサービスを使うと何社からも連絡が来そうで迷っている人へ

同じ条件の見積もりをもう1つ取って、手元の2社の差がどちらから来ているかを確かめられます

次の2つは、どちらも外壁・屋根の塗装会社を紹介するサービスです。並び順は五十音順で、当サイトの報酬では決めていません。

アドバイザーが条件に合う会社を紹介する。断りにくいときはお断りの代行を頼める

費用
外壁・屋根の塗装の相談は何度でも無料
かかる時間
申し込みにかかる時間は、公式サイトに記載がありません
分かること
条件・要望に合う会社の紹介を受けて、見積もりを比べられる。紹介される社数の上限は、確認した公式ページに記載がありません
申込後の連絡
申込後の連絡の方法は、確認した公式ページに記載がありません。断りにくいときは、ヌリカエにお断りの代行を頼めます(窓口 0120-839-084、10:00〜19:00)
ヌリカエで、同じ条件でもう1社の見積もりを取る

紹介は最大4社。現地調査の日程調整を代行してもらえる

費用
紹介は無料(最大4社まで)
かかる時間
申し込みにかかる時間は、公式サイトに記載がありません
分かること
紹介された会社の現地調査と見積もり
申込後の連絡
まず家の状況を聞く連絡があり、その後に紹介先と現地調査の日程を決めます。紹介された会社と必ず契約する必要はない、と公式のよくある質問に書かれています
リショップナビ外壁塗装で、同じ条件でもう1社の見積もりを取る

上の内容は、ヌリカエの公式サイト(2026年11月1日に確認)と、リショップナビ外壁塗装の公式サイト・よくある質問(2026年10月25日に確認)に書かれていることです。リショップナビ外壁塗装は最大4社の紹介を受ける仕組みです。ヌリカエは、紹介される社数と申込後の連絡の方法が、確認した公式ページに記載がありません。申し込むときは、上の表の条件(面積・塗料・回数・範囲)を伝えると比べやすくなります。

出典